本記事の内容
- ストレートチップの歴史
- アバディーンラストのディテール
- Alden 2161を2年使用したエイジング
本記事の信頼性
この記事を書いている私は、
- Aldenを5足保有
- ビンテージデニムをはじめとする一生物が大好き
- 専門は経営学と自動車
今回の執筆にあたってはこちらの雑誌を参考にしています。
(本ページは一部プロモーションが含まれています)
Alden 2161のスペック
ホーウィン社製のシェルコードバンを使用し、オールデンの選りすぐりの職人が手作業で仕上げたドレスオックスフォードです。
サイズ | 8 1/2 E |
カラー | ブラック |
レザー | コードバン |
木型 | アバディーン |
アウトソール | ダブルレザー |
生産国 | アメリカ |
特徴 | ストレートチップ |
こちらは日本での流通が比較的珍しいワイズがEの個体です。
日本市場で最も多く出回っていると言われているDサイズに比べてやや大きめです。
オールデンのサイズ感についてはこちらでまとめています!
アバディーンラスト(Aberdeen last)
アバディーンの木型は、この靴を手にするまで聞き馴染がありませんでした。
このラストは、ミリタリーやバリーと違い、ヨーロッパの靴を思わせるキレのある形状です。
カジュアルはもちろんスーツにもよく似合いますよ。
アバディーンラストの特徴3つ
- ややタイト
- ドレッシー
- かかとは大きく緩め
それもそのはずです。
下記のオールデンラスト比較表では、アバディーンが最も狭い部類に分類されています。
特に、足で一番幅の広い指の付け根部分(ボールジョイント)が細いと言えます。
つま先を少し反り返らせることで、細身でありながら歩きやすさも追求しています。
ドレス向けのラストが使用されていますがトゥは丸みを帯びており、そのバランスが実にオールデンらしいです。
筆者は普段、モディファイドラストの8Dがピッタリのサイズです。
しかし、アバディーンラストは細めということもあり、サイズをハーフサイズ上げ、さらにはワイズもD→Eで気持ちアップしています。
結果的にすこーしだけ余裕があるけども心地よいサイズ感となっています。
ぼてっとしたスライルが多いオールデンには珍しく、スタイリッシュでドレッシーな木型です。
ビジネスシーンにも向いているので、筆者は仕事でたまに履いています。
踵の抜けやすさはそこまで感じません。
仮に緩さを感じた場合でも、靴紐をきちんと結べば全く問題ないと思います。
ストレートチップの歴史
オールデン2161に施されているストレートチップはフォーマルな場面で使うイメージがあります。
ストレートチップは、元々19世紀のイギリス王室で室内履きとして使用されていたのが起源だとされています。
もともと王室で使用された歴史からフォーマルなブラックが主流でしたが、イタリアファッションが流行りだした1990年代ごろから茶色のストレートチップが流通しました。
ストレートチップは上述背景に加え、折り目正しく、冠婚葬祭、ドレスアップからダウンまで様々な状況でも対応可能と言われています。
また、ストレートチップの利点として靴の先端にキャップが付いているため、履き皺が真っ直ぐに入る傾向にあります。
靴好きにとって履きシワとは、靴とオーナーが作り出す唯一無二の特別なものですので、これが真っ直ぐに入るという安心感はありがたいです。
宜しければ、Aldenに関するその他お勧め記事も覗いてみてください。
【Alden/オールデン】サイズ早見表|サイズ感を実体験から解説
【Alden 975 】オールデンロングウィングチップ|2年後の経年変化
【Alden 54441】Vチップ カーフレザー|購入から2年後の経年変化レビュー
【Alden 2161】ストレートチップ コードバン|購入から2年後の経年変化レビュー
【Alden 986】ペニーローファー|購入から2年後の経年変化レビュー
【Alden】ビンテージスチールをオールデンにカスタム|使用感レビュー
衝撃事実!日本で出回っていない
ここまで紹介をさせていただいた中で...すみません!
実はこんなにいい靴なのに、2161は日本で販売されていないんです。
木型が細身ということもあり、多くの日本人がもつ足型の特徴である幅広には中々合わないようです。
とはいえ、筆者の様にハーフサイズアップしたりワイズをEに変更したりすることで、サイズ面の課題はクリアすることができます。
しかし、一番のハードルは、日本のAldenでは試着ができません。
鶏と卵の議論ですが、試着ができないのでサイズ感に不安を拭えず購入に至らない、といったサイクルが存在していると言えます。
靴はサイズ感が命であり、その中でもにオールデンは高級靴ですので、試着なしで購入を決めることは至難の業です。
海外の取扱店を訪れるチャンスがある方やオールデンのサイズ感に精通されている方、試着無しで購入する猛者(筆者のパターン)は挑戦されてみてはいかがでしょうか。
Alden 2161の見た目
オールデンは、この特別なレザーを特別なフットウェアに加工し仕上げることにかけては定評あるメーカーです。
コードバンには、手作業による丁寧な仕上げが要求され、その丁寧な仕事には比類ない光沢があります。
製造に約5ヶ月もの期間を要するホーウィン社のコードバンは、磨きこむ程に表情を変えながら履く人の足に合わせて形状を変化させる、見た目の美しさと履き心地を両立させてくれる秀逸な素材です。
コードバンの放つ絶妙な光沢と、シンプルなデザインの組み合わせが、アメリカ靴の頂点とも言われるオールデンの実力を再認識させてくれる一足です。
アバディーンラストは、先ほどご紹介させていただいた通り、つま先までの長さが若干長く設定されておりすっきりとした印象をもたらします。
ややドレス寄りの雰囲気ながらも、もちろんカジュアルなボトムスにもすっきりとまとまる、ALDENのストレートチップらしい存在感も魅力の一つです。
シューズケアの方法
シェルコードバンであるオールデンガンボートは、他のステッチシューズとは異なるお手入れ方法が必要です。
シェルシューズに最適なのは馬毛のブラシです。
そうそう、ブラッシングの際には履き皺の汚れも書き出す必要があるので必ず、シューツリーを入れてから行いましょう。
シダーでできたシューツリーは湿気や匂い取りの役目もあり何かと重宝するので、筆者はいくつかまとめ買いしました。
ブルームを防ぐのに非常に優れています。
靴がくすんできたら、できるだけ長い時間ブラッシングしましょう。
コンディションを整えるのはどうしても必要なときだけ。
私の場合は年に数回の頻度ですが、定期的に靴を履く人はもう少し頻度を高くしてもいいかもしれません。
汚れ落としのクリームは、カルナバワックスが革に自然なつやを与えると同時に、汚れや水から保護してくれるこちらを使っています。
クリームは 定番のSaphirを使っています。
クリームをシューズに塗り込んだり、余分なクリームを拭き取るためのクロスは毎回綺麗なものを使うようにしましょう。
クリームを等する際に筆者は、ブラシで有名な浅草のかなやさんのブラシを使っています。
キメが細かくクリームの馴染みが全然異なるのです。
靴の表面に磨きをかける場合には、こちらの専用豚毛ブラシがお勧めです。
筆者は気が向いた時にワックスとハンドラップを用いて、表面がまるで鏡のように仕上がる「鏡面磨き」を行います。
仕上げに山羊毛ブラシ、もしくは専用グローブクロスで磨き上げ完成です。
他のブラシ同様、色移りを避けるためシューズの色ごとに分けて使う方が良いでしょう。
まとめ:Alden 2161は、ドレス/カジュアルで決まる汎用性が高いモデル
アメリカ靴の頂点とも言われているオールデン。
この老舗メーカーが製作した アバディーン ×ストレートチップの逸品は、スーツ・デニムどちらにもハマる使いやすさが顕著です。
そこにブラックコードバンの要素がのっかってくる2161は、より服装やシーンを選ばず、かっこよくキマるモデルと言えます。
アバンディーンということでサイズ感が不安ですが、まずは中古でお試ししてみるのも1つの選択肢だと思います。
日本で流通の少ない2161をまとって、Aldenの差別化を図ってみてはいかがでしょうか。