そんなお悩みにお答えします。
今回は、イギリスの老舗ブランド、バブアーのジャケットについてお話しします。
バブアーのジャケットは、オイル加工が施された独特の風合いが魅力的ですが、時間が経つと徐々に色あせてしまうことがあります。
そんな時にオイル落としを行うことで、ジャケットを蘇らせることができます。
本記事では、バブアー・ジャケットのオイル落としについて詳しくご紹介します。
本記事の内容
- バブアーのオイル抜き方法
- バブアーをオイル抜きした結果
- オイル抜きのメリット・デメリット
バブアー・トレンチコートのオイル抜きに成功した際の記事はこちらに纏めております。
インターナショナルの経年変化はこちらでまとめています。
本記事の信頼性
この記事を書いている私は、
- バブアーを3着所有(Bedale・International・Trenchcoat)
- ビンテージデニム4本を所有(501XX・501ビッグE・501 66前期・505 66前期・507XX)
- ファッションブログを2年ほど運用
【Levi's 501XX】ヴィンテージデニムの王道|購入したリーバイス501XXをご紹介
【Levi's 66前期】1977年製のビンテージデニム|高円寺Safariにて購入
本記事は、以下雑誌を参考に筆者の知識を加えて執筆しております。
バブアーをリプルーフする際は正規品を使うことをお勧めします。
(本ページは一部プロモーションが含まれています)
バブアー・ジャケットのオイル落としとは
バブアーのジャケットは、元々は防水加工のために開発されたオイル加工が施されたコットン素材を使用しています。
しかし、長年着用していると、雨風や摩擦などでオイルが徐々に落ちてしまい、色あせてしまうことがあります。
そんな時に行うのが、「オイル落とし」です。
筆者はオイル落とし後リプルーフしていませんが、オイル落とし後にリプルーフを行うことで、ジャケットを新品同様に蘇らせることができます。
ワセリンを使ったバブアーリプルーフの様子はこちらをご覧ください!
結論:オイル抜きの結果
オイル抜きをして失敗したなんてことも聞きますが、きちんと順番や程度を守り作業を進めることでお気に入りのバブアーを理想の状態にすることができます。
バブアーの個体差もあるかと思いますので全く同じになるとも言い切れませんが、皆さんの参考になるよう私のビデイルでオイル抜きした結果をご紹介します。
結論は、思い描いた通りの色・サイズとなり、より普段使いがしやすくなりました。
色
オイル抜き前は全体的に黒みががったセージでした。
オイルが削れアタリもきれいに出ていました。
オイル抜き後は全体的に色の濃淡が無くなり、明るいセージに変化しました。
黒ずんでいた汚れもきれいに除去でき、多少の清潔感は出たように思います。
臭い
オイル抜き前はオイルドコットン独特の臭いがしていました。
慣れるとなんともないのですが、電車で着用するには気を遣わなければならない程度の臭いです。
オイル抜き後はほとんどオイルの臭いが無くなりました。
ガシガシ洗っていないので少しオイルを残すように意識した為か、オイルの臭いが微かに残ります。
後ほどご紹介する洗剤と柔軟剤のいい香りが漂います。
電車で乗るときに気を使わなくても良い程度まで臭いは改善しました。
手触り感
オイル抜き前はオイルのべたつきがあり、バブアーに触った後は石鹸で手を洗う必要がありました。
ところどころアタリが出ているので、凹凸も目立ちます。
オイル抜き後はしっとりとした心地良い手触りになりました。
全体的に凹凸が無くなり、2Dになったイメージです。
サイズ
サイズはほとんど変わりませんでした。
元々ユーズドで購入したバブアーなので前のオーナーが既に水を通していた可能性が高く、これ以上大きく縮むことはないと思います。
強いて言うなれば、着丈が少々縮みました。
元々、短い丈感が好きなのでちょうどよいサイズ感となりました。
オイル抜きは色褪せなどのリスクが多分にあるため自己責任の上で実施頂きますようお願い致します。
オイル抜きに準備したもの
気軽に家庭でメンテできるバブアーを目指したかったので、特に特別なものは使用していません。
オイル抜きのお供2つ
普段の洗濯でデリケートな洋服を扱うことが多いので洗剤と柔軟剤には少しこだわっていますが、今回のオイル抜きに買い揃えたりはしていません。
過去にこちらの洗剤を使用し他のバブアーをオイル抜きしたことがあります。
今回は完全にオイルを落とすことを目的としていないので使用を控えましたが、100%落とし切りたい方にはオススメです。
その他オイル抜きの環境としては、バスタブと浴室乾燥を使用しました。
オイル抜きの手順
時間はかかりますが、手順は至って簡単です。
オイル抜きの4ステップ
- ブラッシングでバブアーについたほこりを落とす
- 40℃のお湯に洗剤・柔軟剤を馴染ませバブアーをつける
- 揉み洗い・すすぎ
- 乾燥
ブラッシングでバブアーについたほこりを落とす
コーデュロイの襟部分を中心にほこりがたまっている可能性が高いのでくまなくほこりを落とします。
バブアーに限らず、普段着用するコートなどのほこりを落とす際にはこちらの馬毛ブラシを使用しています。
程よいコシがありつつも衣類を傷つけないので安心してほこり落としができます。
この際、寒い時に手を入れるウォームポケットや外付けポケット、内ポケットなどもきちんとほこりを取り除くことがポイントです。
後工程であるお湯や洗剤のしみこみ具合、汚れの落ち具合に影響してきます。
40℃のお湯に洗剤・柔軟剤を馴染ませバブアーをつける
バスタブにくるぶしが隠れる程浅いお湯をはり、洗剤と柔軟剤を馴染ませます。
生地が傷むことを避けるべく洗剤柔軟剤は少量投入し、使用する水も熱すぎない40℃程度にしました。
お湯が準備できたら、バブアーを裏返して投入します。
着水後、見る見るうちに色が変わっていくので焦りますが、落ち着いてお湯がバブアー全体に浸透するようにしっかりとつけていきます。
この際、バブアーはチャックを閉めることをオススメします。
ジッパー部分の生地はお湯につけると多少変形しますので、変形の影響を最小限に抑えるためにチャックを閉めるのです。
ジッパー部分がうねって変形してしまうと見た目が悪いですし、何より着脱の利便性が落ちます。
30分程お湯につけます。
途中で上下を入れ替えるなど、お湯を全体になじませるようにすると良いです。
30分後、オイルの汚れが浮いてきてお湯が少し緑がかったような状態になりました。
揉み洗い・すすぎ
あまりごしごしと摩擦は起こさず、バブアーを押して揉むような感覚で優しく洗っていきます。
コーデュロイの襟部分はスポンジやブラシでこすってあげると臭いや汚れがより落ちます。
私は使い捨て歯ブラシを使い襟部分の汚れを落としました。
揉み洗いを行うとお湯の緑色は一層濃くなりました。
一度お湯を抜き、バスタブにきれいなお湯をはってすすいでいきます。
このすすぎを2回行いました。
乾燥
バブアーを表に戻し、ハンガーで浴室乾燥機に吊るします。
かたちが崩れないよう、ジッパーを閉め、細かいしわを伸ばし襟を整えます。
合計6時間乾燥させましたが、最初の3時間は表面が乾くように時々かたちを整えながら乾かしていきます。
次の2時間はポケットやリブ等の乾きにくいところが乾くようにかたちを整え乾燥。
最後の1時間は内側にひっくり返して、乾ききっていない両腕部分を中心に乾かしています。
浴室乾燥でほとんど乾くのですが、生乾きがあっては臭いが残ってしまうので、一晩陰干しをして乾燥を完了しました。
着用感としてはさらっと気軽に着ことのできるジャケットのようです。
オイル落としを誤ると、ジャケットにダメージを与えてしまうことがあるため、正しい方法を知っておくことが大切です。
バブアー・ジャケットのオイル落としの注意点
バブアー・ジャケットのオイル落としを行う際には、以下の注意点を守ってください。
1. 水につけない
バブアーのジャケットには、撥水加工が施されています。
しかし、水につけるとその効果が弱まってしまいます。
オイル落としを行う際には、必ず中性洗剤を使ったぬるま湯で拭き取るようにしてください。
2. 強くこするのはNG
強くこすると、ジャケットの生地が傷ついたり、色が落ちたりすることがあります。
汚れが強い場合は、スポンジを使って汚れをこするようにして落とすのがポイントです。
3. 洗濯機は使わない
バブアーのジャケットは、洗濯機で洗うことはできません。
洗濯機を使うと、ジャケットが縮んだり、形が崩れたりすることがあります。
手洗いで行うか、ドライクリーニングに出すようにしましょう。
4. 熱い場所は避ける
ジャケットを乾燥させる際には、直射日光や暖房器具の近くなど、熱い場所は避けましょう。
熱くなると、ジャケットの生地が傷ついたり、色が変わったりすることがあります。
風通しの良い場所で陰干しするようにしましょう。
オイル抜きのメリット・デメリット
オイル抜きには当然、良い点もあれば悪い点もあります。
両方の側面を理解した上で必要に応じオイル抜きにトライしてみましょう。
メリット
- オイルの臭いを抑えることができる
- べとつきを抑えることができる
- タウンユースが容易になる(公共交通機関での使用が可能)
- 軽量化
- シーズンごとにリプルーフする必要がなくなる
多くの方が悩まれる臭いとべたつきが解消できます。
これによりバブアーを着て出かける機会が増えたり、メンテナンスが楽になります。
これだけでも十分なメリットですが、軽量化の効果も期待できます。
オイルは意外と重く長時間着用していると肩がこることもあるようです。
オイル抜きで全体の重量が軽くなるので長時間の着用も問題なく利便性の向上に繋がります。
デメリット
- 色が明るく変化する
- 防水機能の低下
- 防寒性の低下
- 耐久性の低下
オイルを入れることでバブアー独特の色を保っていますが、オイルが抜けた途端明るい色に変化します。
今回の私のケースでは、全てのオイルを除去したわけではないのでそこまで明るくはなっていないのですが、オイル除去前より目視で変化が見て取れます。
オイルは元々防水性と防寒性を保つために塗られているので、オイルを落とすことでそれらの効果は低下、もしくはなくなります。
私は、防水性が落ちる事を避けたかったので、こちらの防水スプレーを吹きかけました。
スエードの靴やコートに使用しており、優れた防水性を発揮してくれるためとても重宝しています。
耐久性については、オイルが抜けることで耐久性が低下すると公式ホームページに記載されています。
ワックスドジャケットは高い防水性を備えておりますが、長年の使用や外部からの摩擦などでオイルが抜けていくと防水性や耐久性が低下します。 特に肘や裾などの擦り切れやすい部分はオイルが抜けやすいのでご注意下さい。
Barbour公式ホームページ
リプルーフ、私も必要になったらこちらの純正品を使ってチャレンジしてみたいと思います。
まとめ:オイル抜きで自分オリジナルのバブアーを手に入れろ!
バブアー・ジャケットのオイル落としは、正しい方法で行うことが大切です。
水につけず、強くこすらず、洗濯機は使わず、熱い場所は避けましょう。
手入れをすることで、ジャケットを長く愛用することができます。
また、オイル落としは、定期的に行うことをおすすめします。
お手入れをすることで、バブアー・ジャケットの素晴らしさをさらに感じることができます。
私はもともとビンテージ感のあるオイルのついたバブアーが好きでした。
先日バイクでバブアーを着用した際、オイルドジャケットのありがたさを感じました。
しかし汗をかいてしまったため、長期的にお付き合いする上でも汗や皮脂をこの際落としてしまおうと思い、オイル抜きに踏み切りました。
オイル抜きには色落ち等のデメリットが生じるため躊躇していましたが、実際にやってみるとオイル抜き後はそれはそれで風合いがあり個人的に好きな雰囲気に上がりました。
主な成功要因は、オイルを落とし過ぎなかった点だと思います。
5年ほど前にブラシで油汚れ専用の洗剤を使用しゲームフェアのオイル抜きを行った際にごわつきが気になったため、今回のビデイルは優しく汚れを落とすイメージで作業を行いました。
程よくオイルが残り、しっとりとした肌感はとても心地良く満足しています。
オイル抜きはバブアーに付着した汚れを落とし、カビや虫などの被害から大切なバブアーを保護する役割も兼ね備えています。
オイル抜きに失敗したらまたリプルーブすれば良いかと思える方は、ぜひトライしてみると思わぬ発見があるかもしれません。
因みに私は、暫くオイルを入れずにオイル抜きバブアーを楽しむ予定です。