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そんなお悩みにお応えします。
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本記事の内容
- バブアーをオイル抜きした結果
- バブアーのオイル抜き方法
- オイル抜きのメリット・デメリット
以前バブアー・ビデイルのオイル抜きに成功した際の記事はこちらに纏めております。
ポイント
Barbour Trench Coatは、高品質の素材やデザインにより、長い間愛用できるアイテムです。オイルを塗ることで防水性が増し、風雨に強くなりますが、長期間使用するとオイルが劣化してしまいます。Barbour Trench Coatを大切に扱い、長く使い続けるために、オイル抜きやクリーニングについて正しい方法を知っておくことが重要です。
オイル落としの動画はこちらをご覧ください。
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オイル抜きは色褪せなどのリスクが多分にあるため自己責任の上で実施頂きますようお願い致します。
インターナショナルの経年変化はこちらでまとめています。
本記事の信頼性
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この記事を書いている私は、
- ビンテージデニム4本を所有(501XX・501ビッグE・501 66前期・505 66前期・507XX)
- ファッションブログを2年ほど運用
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【Levi's 501XX】ヴィンテージデニムの王道|購入したリーバイス501XXをご紹介
【Levi's 66前期】1977年製のビンテージデニム|高円寺Safariにて購入
【ビッグE】イタリア人から購入した Levi's 501ビンテージデニム| ビッグE を年代判別のディシジョンツリーとともにご紹介
本記事は、以下雑誌を参考に筆者の知識を加えて執筆しております。
バブアーをリプルーフする際は正規品をお勧めします。
(本ページは一部プロモーションが含まれています)
はじめに:バブアーとは
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バブアーは、1894年にイギリスで創業したアウトドアブランドです。
特に、ウォーキングや釣りなどのアウトドアアクティビティに適した高品質なアウターウェアを製造しています。
その中でも、トレンチコートは非常に有名で、英国王室や著名人たちから愛されています。
バブアーのトレンチコートは、高い品質とデザイン性、そして丈夫さで知られています。
今回は、バブアーの代表的なアイテムのひとつであるトレンチコートに焦点を当て、1988年製のトレンチコートについて紹介します。
バブアーのトレンチコートについて
バブアーのトレンチコートは、その機能性と耐久性から、世界中のアウトドア愛好家から愛されています。
このコートは、耐久性の高いコットン素材に、特殊なオイル加工が施されているため、悪天候にも対応できる優れたアウターウェアです。
トレンチコートは、第一次世界大戦中に英国軍に採用されたことから誕生し、現在でもその歴史的なデザインが受け継がれています。
オイル抜きとは
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オイル抜きとは、コーティングされた生地から余分な油分を取り除くことです。
バブアーのトレンチコートは、綿にパラフィンワックスを塗布しているため、オイル抜きが必要です。
これにより、トレンチコートが柔らかく、軽くなり、より自然な風合いを取り戻します。
バブアーのトレンチコートは、パラフィンワックスを塗布しています。
このワックスは、生地を防水・防風にするために使用されていますが、その一方で、長時間着用すると肌にこすれて痛みを感じることがあります。
また、ワックスは生地に沈着するため、トレンチコートが硬くなり、自然な風合いが失われます。
これを防ぐため、オイル抜きが有効となる場合があります。
ワセリンを使ったバブアーリプルーフの様子はこちらをご覧ください!
結論:オイル抜きの結果
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幸いにも以前ビデイルで行った方法を踏襲した結果、成功に終わりました。
早速、オイル落とし前後でどのような変化があったのか見ていきましょう。
バブアーの個体差もあるかと思いますので全く同じになるとも言い切れませんが、皆さんの参考になるよう私のバブアー・トレンチコートでオイル抜きした結果をご紹介します。
色
写真では分かりづらいですが、確実に鮮やかになりました。
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そしてきれいになりました。
ビンテージということもありほこりっぽさが否めなかったのですが、オイル落としをした後では完全にとは言い切れないものの、ほこりっぽさは改善されました。
ポケット部を中心に程よいアタリが出ています。
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コーデュロイ部分はわずかにですが毛並みが整いさっぱりしたようにも見て取れます。
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中のチェックの色も発色が良くなっています。
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臭い
オイル抜き前はオイルドコットン独特の臭いがしていました。
臭いは若干緩和されましたが、オイル臭さはまだ残っています。
完全に取り除くにはもう一度オイル落としを行い、外で干すことが必要だと思います。
前回お色落としを行ったビデイルもそうでしたが、独特の臭いは着用を重ねることで薄れていきます。
手触り感
サラサラ感が増しました。
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もともとべたべたではなかったのですが、前述の通り、ほこりっぽさが否めなかった為そのざらざら感はぬぐうことができました。
サイズ
サイズ感はほとんど変わりませんでした。
ビンテージということもあり、既に何度か洗われていることが想定されます。
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フロント部分では、縦方向への若干の縮みは確認されたものの、横方向の縮みは袖口以外確認されませんでした。
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こちらは横方向への縮みが少し見られました。
尚、ベルトはオイル抜き前後でいずれも160㎝でした。
実際に着用した際の変化を見てみましょう。
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オイル抜きは色褪せなどのリスクが多分にあるため自己責任の上で実施頂きますようお願い致します。
実は今回ご紹介するオイル抜きの後に、もう一度オイルを完全に抜きました。
その際の様子を以下に纏めましたのでご参考ください。
オイル抜きの手順
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オイル抜きの方法は簡単です。
ただし、素人が行う場のは危険ですので、専門のクリーニング店で依頼することをおすすめします。
筆者のように自分でやってみると言う方は、自己責任で実施するようにしてください。
オイル抜きの4ステップ
- ブラッシングでバブアーについたほこりを落とす
- 45℃のお湯に洗剤・柔軟剤を馴染ませバブアーをつける
- 揉み洗い・すすぎ
- 乾燥
ブラッシングでバブアーについたほこりを落とす
なにはともあれブラッシングです。
バブアーは表面にオイルをまとっていることもありほこりが付きやすいです。
ましてやビンテージや古着となるとその量も多いことが想像されますので入念にブラッシングします。
この工程を施すことで、オイル抜きした後の仕上がりが大きく変わってきます。
ほこり付着部分のオイルが落ちずに一部ムラになったりするためです。
特にコーデュロイ部分はしっかりほこりを落とします。
このトレンチコートは襟部分のみならず上から下までコートのふちがコーデュロイ仕様になっていますので一苦労ですが、手を抜かずに丁寧にブラッシングしていきます。
45℃のお湯に洗剤・柔軟剤を馴染ませバブアーをつける
ブラッシングを終えた後は、お風呂にお湯をはって洗剤・柔軟剤と馴染ませます。
お湯はくるぶしの上くらいに来る高さではりました。
洗剤と柔軟剤はビデイルのオイル落としを行った際のものと同様です。
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以前ビデイルのオイル抜きをした際は40℃のお湯を使いましたが、今回は以下2つの理由から水温を45℃に上げています。
- 生地面積が大きい
- オイルをしっかり落としたい
1点目は、肌感ですがトレンチコートの生地はビデイルの約2倍程の面積があるので、きちんと生地をお湯になじませるために高温にしました。
2点目は、ある程度しっかりオイルを落としたかったです。
ビデイルのオイル抜きをした際には、バブアーらしさも少し残したかったので完全にはオイルを落としませんでした。
今回はもっとタウンユースとして活躍させたかったので、しっかり目に高温のお湯でオイルを落とすことを目指しました。
お湯につけた直後
色は変わらないものの、早速濁ります。
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お湯につけてから10分後
お湯の色が早くも変化してきました。
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お湯につけてから30分後
赤茶色の色に変化しました。
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揉み洗い・すすぎ
トータルで60分程お湯につけ、その間に何度も揉み洗いを行います。
トレンチコートは生地が重なる部分が多いので、それらの点を入念に洗います。
数年前にこちらの洗剤とブラシを使ってオイルをほぼ完全に落としたことがあるのですが、生地が毛羽立ちほこりの付着が目立つようになったので、今回はそうではなくうっすらオイルを残すことを目標とします。
少しも経たないうちにだいぶ色が変わってきました。
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ネイビー生地のせいか、お湯の色はセージビデイルとは異なり赤色になっています。
時間が経過するごとにお湯の色は強く変化していきます。
コーデュロイの畝はほこりがたまりやすいので歯ブラシなどで優しくブラッシングしながら汚れを落としていきます。
60分ほどたってから、すすぎの工程に入ります。
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お湯を溜めてはすすぐことを2、3回繰り返します。
生地が水を含みかなり重いです。
生地の色もネイビーとは程遠い、真っ黒に見えます。
乾燥
最後に乾燥です。
今回は8時間ほど浴室乾燥機にかけました。
干す際にコートのかたちを整えます。
乾燥直後の様子
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なるべくしわにならないように伸ばせるところは伸ばしてきれいに干しましょう。
最初の1時間は乾燥効率を無視して、きれいなかたちを保てるように干します。
乾燥から1時間後の様子
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次の1時間はその形のまま、乾きが悪いところに温風が当たるように移動させます。
2時間もすると表面が乾いてきますので、続いて、においが残らないように内側にも温風が当たるように形状を変えます。
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この時点で表面の生地は淡いネイビーとなっています。
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3,4時間でおおよそは乾くのですが、ポケットの付け根やコート下部はまだ湿っているためこれらの部分を集中的に乾かします。
最後に形を整えて2,3時間乾燥させて完成です。
乾燥から8時間後の様子
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オイル抜きのメリット・デメリット
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オイル抜きには良い点もたくさんありますが、バブアー社が公式に推奨していないこともありいくつかリスクもあります。
メリット・デメリットを理解した上で、実施しましょう。
メリット
- オイルの臭いを抑えることができる
- べとつきを抑えることができる
- タウンユースが容易になる(公共交通機関での使用が可能)
- 軽量化
- シーズンごとにリプルーフする必要がなくなる
- 清潔感が増す
まずは臭い。
慣れると気にならないとは言いますが、それでも個人的にはに補遺が気になりますし、特に奥さんから受けが悪い。
オイルをまとっていることでTPOを激しく選ぶコートですので、オイル抜きをすることで少しでも活躍の機会を増やすことに繋がります。
洗いに掛けることでべとつきが収まり、ある程度周りの目を気にせずに着用することが可能です。
今回のトレンチコートで特に感じたことが、軽さです。
オイルを抜く前と後で別物かというほど軽くなりました。
着用時の疲労感を軽減する上でもありがたい変化です。
最後に清潔感。
バブアーと清潔感は一見交わらないもののようにも思えますが、オイルを落とすことは汚れを落とすことにもなるので結果的に清潔感が増します。
正確には、清潔”感”ではなく、”清潔になる”ですね。
デメリット
- 色が明るく変化する
- 防水機能の低下
- 防寒性の低下
- 耐久性の低下
個人の好みにもよりますが、明るすぎる色は時として嫌われます。
オイルがあることでダークな仕上がりになっているバブアーも、オイルを落とすことで想像以上に明るくなり残念な思いをされた方もいるようです。
また、防水機能は着実に低下します。
ただし、日本は本場イギリスとは異なり雨の日は傘をさしていますので、バブアーの防水性に日ごろから頼るシーンもそこまで多くない気もしています。
防水性が気になる方は、こちらのスプレーを塗布することをおススメします。
耐久性が低下するという方もいますが、定期的にリプルーフする方を除き、経年変化したオイルを長年染み込めせている方が生地のダメージは増すのかなと個人的には考えています。
オイル抜きしたみんなの感想
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実際にオイル抜きを行った他のバブアーユーザーの方はどんな経験をしているのでしょうか。
オイル抜きしてよりビンテージっぽくなった
酸素系漂白剤とセスキ炭酸ソーダと食器用洗剤を適当にお湯に溶いて一晩浸け置き洗いしてバブアーのオイル抜きしました ビンテージっぽくなって良い感じ~ pic.twitter.com/s9AkEAC4Hk
— ジンカーズBB (@jingkersbb) March 19, 2021
1回では成功できず2回目のオイル抜き突入
ボロいバブアー買ってオイル抜きしてるけど、手強すぎて2日目突入 pic.twitter.com/qwm5LHgaEm
— クロ (@loaded_no7) October 11, 2021
電車に乗れるようになった
Tlでよくバブアー流れてくるので僕もあげちゃお♪ ライディングコートです。着丈くっそ長い。電車内でもで着れるようにオイル抜きしたらベージュになりました!元の色画像2 pic.twitter.com/XUKoMZTLq1
— うまいめし食いたい (@umaimesikuitai) August 8, 2021
裏地の柄の発色が良くなった
午前はバブアーの裏地を水洗い🚿
— 𝗸𝗲𝗻𝘀𝘂𝗸𝗲 (@ken_bms) September 17, 2020
裏地の柄の発色も洗う前より良くなった気がします。
明日からリプルーフ。頑張って綺麗に仕上げます(^^♪ pic.twitter.com/CzlQcKyeWn
少しサラサラになった
禁断のバブアー重曹漬け&お湯洗い。
— プラプラしてんじゃね〜よ (@prapra525811491) March 7, 2021
色抜けは最小限に、オイル抜いて少しサラサラに。
あったかくなったらもう一着も洗うかー。 pic.twitter.com/3HCzgT6rok
まとめ:自分らしいバブアーを育てよう!
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バブアーは人気のあるアウターですが、その扱いづらさでも良く知られています。
保管方法やメンテナンス等面倒なことも多いですが、目的に合わせて使いやすくすることも必要だと思います。
オイルドジャケットなのにオイルを抜いてしまっては、との批判の声もありますが、私の場合はオイルがついていて使いにくいあまりにクローゼットにしまいっぱなし(それも保管方法としては危険ですが)にはしたくないので、迷わずオイル抜きをします。
オイル抜きはワンちゃんをお風呂に入れるようなものであり、そんなに難しくはありません。
清潔なアウターを簡単に維持する上でも、リプルーフを必要としないノンオイルドジャケットに変化させてみてはいかがでしょうか。