カーフレザーの経年変化についてもお見せできたらと思います。
本記事の内容
- Vチップの歴史
- Alden 54441のディテール
- Alden 54441を2年使用したエイジング
本記事の信頼性
この記事を書いている私は、
- Aldenを5足保有
- ビンテージデニムをはじめとする一生物が大好き
- 専門は経営学と自動車
54441の靴磨きの様子をYoutubeにアップしていますので、よろしければこちらもご参考ください。
今回の執筆にあたってはこちらの雑誌を参考にしています。
(本ページは一部プロモーションが含まれています)
Alden 54441のスペック
アメリカントラッドの真髄として高い人気を誇る、オールデンの定番モデル「Vチップ」のカーフ仕様です。
サイズ | 8D |
カラー | ダークブラウン |
レザー | カーフレザー |
木型 | モディファイド |
アウトソール | シングルレザー |
生産国 | アメリカ |
特徴 | Vチップ |
オールデンのサイズ感についてはこちらでまとめています!
Vチップの歴史
まず、Vチップとはつま先のモカシン縫いが「V」の字のようになっている仕様のことを指します。
今回ご紹介するオールデン 54441もVチップの代表的な革靴の一つです。
経年変化として、アッパーに履き皺が入っています。
実は何度が歩道に躓いたことがありつま先や踵の一部が削れてしまっています。
タン部分(舌革:したかわ)も少しよれてきていますね。
オールデンのこの靴は1950年代に足の治療や運動機能の補助を目的とし、整形外科的な視点で木型を開発しました。
これを「モディファイド・ラスト」と称し、オールデンの最も有名な木型であると言えます。
機能面だけではなく、その見た目にもこだわった同社は、自然な見た目を実現させるためにUチップを改良しVチップを生み出したとされています。
驚くことに開発から70年ほど経った今でも、Vチップは基本設計がほとんど変わらずにずっと支持され続けているのです。
Vチップはその特徴的な見た目から、アメリカンな独特の風合いがありますね。
Alden 54441の見た目
早速、Alden 54441のディテールを見ていきましょう。
全体感・アッパーソール
モディファイドラストということもあり一見ポテっとしていますが、Vチップによりスタイリッシュな雰囲気を醸し出しています。
このラストは、人間本来のインサイドストレート・アウトカーブの型をとっています。
また歩きやすいように、土踏まず部分に独特なくびれがあり、つま先も若干広めに構成されています。
土踏まず部分のくびれがなんとも美しいです。
この特有なフォルムは他メーカーにはない、独特の存在感を放っています。
程よくボリュームでありながら、シンプルなステッチが無骨で、佇まいが上品です。
アウトソール
シングルレザーですので、アウトソールは1枚で構成されています。
こちらでご紹介したAlden 975はダブルレザーですので、その厚みが異なります。
ダブルレザーのような重厚感はありませんが、シングルレザーならではのドレッシーさを醸成しています。
一般的にシングルレザーは、足馴染みが早くクッション性に優れていると言われています。
地面との接地面はをハーフラバーで補強しています。
このようにすることで補強のみならず、雨に弱くて滑りやすいというレザーソールの欠点を緩和し、ソールの長寿化にもつなげられます。
雨が染み込まないのでカビも生えづらく、ラバーだけを張り替えられるのも利点です。
いつかビンテージスチールをつけたいのですが、予算の関係で一旦ステイしています。
(現在他の2足を靴屋さんに修理依頼しています。。)
宜しければ、Aldenに関するその他お勧め記事も覗いてみてください。
【Alden/オールデン】サイズ早見表|サイズ感を実体験から解説
【Alden 975 】オールデンロングウィングチップ|2年後の経年変化
【Alden 54441】Vチップ カーフレザー|購入から2年後の経年変化レビュー
【Alden 2161】ストレートチップ コードバン|購入から2年後の経年変化レビュー
【Alden 986】ペニーローファー|購入から2年後の経年変化レビュー
【Alden】ビンテージスチールをオールデンにカスタム|使用感レビュー
フィット感
モディファイド・ラストだけあり、その履き心地はその他のラストと比べても最高です。
初日から足に自然と馴染む履き心地が安心感を与えます。
前出の通り、この木型は整形外科的・矯正靴的な目的で開発されているため、圧倒的な履き心地は当然と言えば当然です。
程よい包まれ感とクッション性が足の負担を軽減してくれます。
素材もカーフであることから固く重いコードバンとは違い、履いているうちに革が伸びます。
これにより履き込むほどに自分の足にフィットしてきます。
シューズケアの方法
シューケアに最適なのは馬毛のブラシです。
そうそう、ブラッシングの際には履き皺の汚れも書き出す必要があるので必ず、シューツリーを入れてから行いましょう。
シダーでできたシューツリーは湿気や匂い取りの役目もあり何かと重宝するので、筆者はいくつかまとめ買いしました。
ブルームを防ぐのに非常に優れています。
靴がくすんできたら、できるだけ長い時間ブラッシングしましょう。
コンディションを整えるのはどうしても必要なときだけ。
私の場合は年に数回の頻度ですが、定期的に靴を履く人はもう少し頻度を高くしてもいいかもしれません。
汚れ落としのクリームは、カルナバワックスが革に自然なつやを与えると同時に、汚れや水から保護してくれるこちらを使っています。
クリームは 定番のSaphirを使っています。
クリームをシューズに塗り込んだり、余分なクリームを拭き取るためのクロスは毎回綺麗なものを使うようにしましょう。
クリームを等する際に筆者は、ブラシで有名な浅草のかなやさんのブラシを使っています。
キメが細かくクリームの馴染みが全然異なるのです。
靴の表面に磨きをかける場合には、こちらの専用豚毛ブラシがお勧めです。
筆者は気が向いた時にワックスとハンドラップを用いて、表面がまるで鏡のように仕上がる「鏡面磨き」を行います。
仕上げに山羊毛ブラシ、もしくは専用グローブクロスで磨き上げ完成です。
他のブラシ同様、色移りを避けるためシューズの色ごとに分けて使う方が良いでしょう。
靴磨きの基本はブラッシングとはよく言われますが、日々履き終わったら軽くでもブラッシングすることをお勧めします。
このようにすることで著しい革の劣化を防ぐことができますし、美しい経年変化を刻むことができます。
革そのものの色落ちを楽しみたいため、私はブラック以外の革靴には無色のクリームを使っています。
アッパーのカーフレザーはメンテナンスを繰り返す事によって、更なる光沢と深みを増していきます。
まとめ:54441は革靴でありながらスニーカーのような履き心地を味える!
オールデンのど定番であるモディファイド・ラスト。
この子に一度でも足を通してしまったら、その履きやすさに魅了されることでしょう。
きっと、あなたの革靴の概念を変えてしまいます。
Vチップをはじめて見る人には、一見いびつなデザインに感じられるかもしれません。
しかし、履けば足に馴染み、履くほどに愛着が湧いてくる何とも不思議な靴です。
カーフレザーであれば、ある程度天候を気にせず履くことができますので、Alden 54441をあなたのコレクションに加えてみてはいかがでしょうか。